葛飾区で会社設立のサポートをしております。
税理士の大田原です。

今日は、選択と集中についての話題です。

皆様は、どんなときに選択と集中という言葉を使うのでしょうか?

私が聞いた多くは、経費を削減するときに、
この言葉が使われることが多いです。

「えっ」と気付かれた方もいらっしゃると思いますが、
そうなんです。
経費を削減するときに使われ、
その場合のほとんどのケースで、
儲かる事業に経費を使うということはないのです。

一般的に選択と集中というのは、
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)という考えに基づき、
簡単に言うと、儲かる事業、儲からない事業を判別し、
儲からない事業に係る経費を削減するかどうか判断し、
儲かる事業に経費を投入できるかどうか判断する考え方に基づくものです。

ところが、中小企業の場合、
PPMと言っても、扱っている商品やサービスが1つしかないことが多いです。
そこで、選択と集中をしても選択肢は1つしかありませんし、
また、集中させる事業も1つしかありません。

従って、このときの選択と集中とは、
私の経験上では、概して、原価は削減せず、人件費を下げる
という選択と集中を意味していることが多いです。

しかし、この選択と集中はいつまで続くのでしょうか?

売上が伸びる見込みがあれば良いのですが、
なんとかその場しのぎの人件費カットは無理があります。
従業員も「しばらくは…」と我慢し、頑張ってくれるかもしれませんが、
長期間続いてしまうと、我慢も限界に達します。

選択と集中とは、企業を継続させるためにどうしたらいいか?
を考える発想になりますので、
1つの商品やサービスしか扱っておらず、
その商品やサービスの将来性が見込まれない場合は、
新しい展開を考えないといけないということです。

経費削減には、限界があります。
しかし、売上を維持し、または、伸ばす必要がある場合、
資金が必要なことが多々あります。
そんなときに資金を生み出し、集中投下するための考え方が
選択と集中の真の意味になります。

ただ、きちんとした投資計画などのもと、
選択と集中を行い、くれぐれもギャンブルはしないようにしてください。

税理士法人 大田原会計事務所